前回のブログ（→期待の大型新人コスメ リビジョン【DEJ Daily Boosting Serum】）で「元気のない肌」にオススメと書きました。
では「元気のない肌」とは具体的にどういう肌のことでしょうか？
私は普段の診察のなかで
例え主訴がシミでもシワでも毛穴でもたるみでも全員、顔色や声のハリ、表情などを見て
総合的に「あー肌に元気がないなー。栄養足りてないなー。」と
もはや反射的というのか、自動的にというのか、そんな感じで判断しています。
敢えてそう感じる根拠を具体的に挙げるとすれば
・血色が悪く、艶がない
・慢性的に軽微な（これポイント）炎症が続いていて、わずかな赤みがある
・毛穴が開いてざらついている
・すごく目立つにきびや湿疹はないけど全体的に生気がない
そんな肌を見ると「肌に元気がないな、栄養が不足してるな」と思います。
例えば若い子で赤く腫れたにきびがバンバンできているのなんか、
肌の状態は決して良いとは言えないけれども。
ただエネルギーは有り余っていて免疫が働きまくっているな（＝元気があるな）、と感じるのです。
炎症を起こして赤く腫れるのは、白血球やリンパ球がガンガンに働いている証ですから。
エネルギー不足、栄養不足の肌では強い炎症すら起こせず
ちょろちょろと弱い火がくすぶっているような、ごく淡い赤みが続いている印象です。
肌に元気がない場合、何の栄養が不足しているかというと具体的には、
・角質の状態が悪い人はタンパク質・鉄・亜鉛不足。
・赤みがある人はビタミンB群不足。
・痒い湿疹を繰り返している人は亜鉛、ビタミンD不足。
・声が小さくてしんどそうな人は深刻なタンパク質不足、不随してビタミンB群や脂質不足。低血糖。
そんな感じで、なんとなく栄養状態が読めます。
そしてそういう人の栄養解析すると、100％とは言いませんが、だいたい予想通りのことが多いです。
（というか、ほとんどの人が質的栄養不足なので、当たって当然といえば当然かも。
そのなかでも、特にどの栄養素の不足が深刻なのかを見極める必要があります。）
栄養がないと、材料不足で肌のターンオーバーが正常に進みません。
ターンオーバーが進まないと、古い角質が剥がれず、ごわつきやざらつきが生じます。
ごわついたり、ざらついている角質はキメが整っていないから、光が乱反射してツヤが生まれません。
角質の状態が悪いから、空気中の粒子なんかが侵入しやすく炎症を起こします。
炎症を起こすと赤くなるし、炎症に対する防御反応としてメラニンを生成するのでシミの原因となります。
すなわち。
栄養不足は、あらゆる肌のトラブル・老化の原因となることを知っておいて欲しい。
栄養が足りていなくて肌に元気がない人って、
・化粧品がどれも合わない
・何をつかってもヒリヒリする、むずむずする
・日焼けすると肌がただれる
そんな「自称敏感肌」の人に多いです。
そもそも栄養不足だから、胃酸も消化酵素も作れてなくて消化が悪い。
皮膚と地続きの腸粘膜の調子ももちろん悪い。＝腸内環境が悪い。
腸内環境と免疫と肌は切っても切れない関係。
消化できないからさらに栄養が不足するという悪循環。
タンパク質がないから肌を作れない。
栄養が不足しているから免疫力・抵抗力が落ちる。
免疫の暴走がアレルギーだから、アレルギーも起こしやすい。
だからかぶれやすい。
そういう負のループに陥っている人、めちゃくちゃ多いです。
皆さん、心当たりありませんか？？？
ジャンクフードや加工食品、人工的に精製された調味料ばかりだと
カロリーは十分でも栄養が足りない「質的栄養失調」の状態に陥るのです。
人の体はひとつの塊です。
肌だけ、腸だけ、独立しているわけじゃありません。
つまり肌の調子がずっと悪いということは、目に見えないだけで体の中もずっと調子が悪いはずです。
そういう当たり前の、シンプルな事実を忘れている、もしくは目を背けている人が多いように思います。
栄養素は臓器あるいは細胞だけではなくて、あらゆる酵素やホルモンの材料でもあります。
だから栄養が満たされている人はメンタルも強いし安定しています。
「元々肌が元気でポジティブ思考な人ほど、治療の効果も出やすい」
これは、栄養療法をやっていない美容ドクターも実感していることで、
時々同業の先生たちとの間で話題に出ますが、当たり前のことだと思います。
肌の状態が良い人ほど、治療でどんどん良くなる
肌の状態が悪い人ほど、治療してもなかなか良くならない
そんな皮肉なスパイラル・・・起きて当然なんです。
栄養不足が深刻なのに、化粧品やレーザーさえ頑張れば誰でも同じように肌がきれいになるという考えは間違いだと強く言いたい。
どんな治療も、肌の細胞を活性化させて肌を再生させていくものだから
その再生させる肌の材料がなければ思ったように結果は得られません。
じゃあ、どんな肌が「元気な肌」なのか？
それは文句なく「赤ちゃんの肌」でしょう。
なぜか？
それはお母さんのお腹の中にいる間、母体よりも優先してあらゆる栄養をもらっていたからです。
栄養が十分満たされているからです。
いざ生まれてきて、母乳やミルクから摂る栄養が足りていないと
お腹の中で貯め込んでいた栄養貯金を使い果たしてしまうので
貯金が減ってくる生後数ヶ月から乳児湿疹が起きてくるのです。
（お母さんが極度の栄養不足だと赤ちゃんも栄養不足になるので、新生児の頃から肌の不調があったりします）
・慢性的に肌の調子が悪い、体もしんどい。
・すぐに休みたくなる、横になりたくなる。
・イライラしやすい、やる気が出ない。
そういう人は間違いなく栄養不足です。
・便秘や下痢があれば腸内環境も悪い。
・オナラが臭いのも危険信号。
・すぐに胃もたれ、胸やけする人はタンパク質不足で消化力が落ちまくってます。
（でもほとんどの人がそれを異常と思っていないんですよね。
皆そんなもんなんだろう・・・と勝手に思い込んでる。）
肌を本当に良くしたければ、体の中に目を向けるべきです。
しんどいから食事も適当に済ませたくなるかもしれないけど
手間暇かけた料理じゃなくていいから
パンや麺を避け、インスタント食品や加工食品に頼るのをやめ
肉・魚・野菜・果物・茶色い穀物（全粒穀物）をしっかり食べることです。
おすすめは具沢山みそ汁や鍋。
何でもかんでも鍋に放り込んでぐつぐつ火を通すだけ。
好きな味付けで、汁まで飲み干す。
野菜なんか、包丁もまな板も使わず手でむしればいいし
そういう意味では貝類なんか水洗いしてぶち込むだけ。
手抜きしても、栄養は摂れます。
人の体は食べたものでしか作られていません。
肌を綺麗にしたければ体を健康にしましょう。
毎日の食事を大切にして欲しい。
心からそう願います。
それは必ず、肌だけじゃなくて体の健康につながるから、大きな財産になります。
同じ食事を摂る、大切な家族の健康にもつながるのです。
そして何より最優先で摂るべきはタンパク質です。
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