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そのシミ・ホクロ・・・もしかして癌かも!? 3

2026.07.22

「シミ」や「いぼ」の前に、まず診断。

先日、大学病院へご紹介した患者さんが、無事に手術を終えて退院されたとご報告をいただきました。

病理診断は、基底細胞癌

基底細胞癌は非常に進行がゆっくりな癌で転移も稀ではありますが、やはり悪性の腫瘍。

手遅れにならない適切な時期に手術を受けられたこと、何より嬉しく思います。

 

今回の患者さんは、当院を受診される前に二つの皮膚科(美容ではない)を受診されていました。

最初は「いぼ」と診断され、液体窒素による冷凍凝固を受け、その後再発。

次に受診した皮膚科では、「冷凍凝固をした影響でしょう。清潔にして様子をみてください。」と説明されたそうです。

 

当院には、足の指先の角化(皮膚が厚く硬くなる)と痛みを訴え来院されました。

その診察の流れのなかで「先生、ついでだからこっちもちょっと見て。」という感じで見せてくださったのが、件の基底細胞癌。

視診でも、「いぼ」とは少し異なる印象を受けました。

形や色、境界、表面の性状、ダーモスコピー(皮膚拡大鏡)の所見を鑑み・・・

『基底細胞癌の疑い』として紹介状を作成し、大学病院にご紹介しました。

 

美容皮膚科には、「シミを取りたい」「いぼを取ってほしい」という方が多く来院されます。

もちろん、そのほとんどは良性です。

しかし、ごくわずかであっても、悪性腫瘍や前癌病変が紛れていることがあります。

実際に何度も大学病院や総合病院へご紹介しています。

もしかしたら、美容医療で最も重要な技術は、レーザーを照射する技術や注入の技術よりも、

「治療しようとしているもの・状態を正しく見極め診断する力」かもしれません。

 

どれほど優れた機器も、診断が間違っていれば患者様に利益をもたらすことはできません。

診断があって初めて、治療があります。

これは美容医療であっても、一般皮膚科であっても変わらない、医療の基本。

例え患者さんが「シミを取りたい」と来院されても、医師の診療は「それは本当にシミなのか?」という疑いの目から常にスタートするべきです。

これはシミやいぼのような腫瘍性病変に限ったことではなく、どんな症状であれ、現在の肌の状態を正確に判断することなしに適切な治療は選択できません。

大手チェーン系クリニックや薄利多売のコンビニ系クリニックにありがちな、患者さんからの「〇〇やりたいです!」「◇◇を打ちたい!」というリクエストに応えるだけの医療は、

手軽で便利ではありますが、結果として患者さんがあまりに高いリスクを抱えていると思います。

 

 

今回の患者さんは、この腫瘍について当院を紹介受診されたわけではないので、私から前医の先生方に「基底細胞癌でした」とお伝えする機会はありません。

つまり、前医の先生方はこの診断結果を知ることなく(ご自身の誤診を知るきっかけのないまま)診療を続けられることになります。

それは、私自身にも起きうることです。

もしかすると、自分が知らないだけで、私もこれまで見落とした症例があったかもしれない。

あるいは、これから先も見逃してしまう可能性があるかもしれない。

だからこそ、「自分は間違えるかもしれない」という前提を持ち続けることが、診断に携わる医師にとって最も大切な姿勢なのだと思っています。

皮膚科専門医として長く診療を続けてきた今でも、一つの病変に対して「本当に良性だろうか」と立ち止まることがあります。

その一瞬の慎重さが、患者様の未来を大きく左右することがあるからです。

 

・先入観を持たない

・病変をよく観察する

・診断の精度をあげるための勉強を怠らない

・なんとなくおかしい、なんとなく違う、という小さな違和感を大切にする

・診断がはっきりしないときは、治療しない勇気を持つ

 

こうしたことを普段から大切にしています。

 

美容医療は、美しくする医療です。

しかしその前提には、「安全であること」があります。

そして安全を支えているのは、治療技術だけではなく、正確な診断です。

その病変が何であるかを見極め、治療すべきものと治療してはいけないものを正しく判断すること。

それこそが、皮膚科専門医が美容医療に携わる最も大きな価値の一つだと、私は考えています。

今回の記事で紹介した治療

治療方法の詳細は以下のリンクからご覧いただけます。

TAKEDA BEAUTY CLINIC DOCTOR

医療法人TSC タケダスポーツ・ビューティークリニック 皮膚科・美容皮膚科 院長

皮膚科専門医 武田りわ

「美肌は人を幸せにする」を理念に、西洋医学を基礎とする美容医療に栄養医学を取り入れ、体の外側と内側からのケアを提案している。肌の老化を治すだけではなく、老けにくい健康な肌作りが得意。皮膚科専門医、オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医の資格保有。

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