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老化細胞(ゾンビ細胞)・SASP・真皮リモデリング

2025.08.29

もうだいぶ経ちますが、お盆休み最後の週末に美容皮膚科学会に参加してきました。


ヒアルロン酸、ECM製剤、デバイス、肝斑、マイクロニードルRF治療などのセッションを聴きまわったなかで

今年、特に印象的だったのは 「老化細胞」「真皮リモデリング」 に関する議論が活発だったことです。

 

老化細胞(ゾンビ細胞)については、美容の分野に限らずここ1,2年でよく聞くようになりました。

簡単に説明します。

 

老化細胞が周囲に与える影響 ― SASP(サスプ:細胞老化随伴分泌現象)とは?

私たちの体にはおよそ37兆個もの細胞があります。

その一部は日々分裂を繰り返し、古い細胞が入れ替わりながら体を維持しています。

(皮膚のターンオーバーは有名ですよね)

この過程で、紫外線、放射線、活性酸素、化学物質などによりDNAが修復できないほど大きなダメージを受けると、

細胞はガン化を防ぐために分裂を停止し、アポトーシス(細胞死)を起こすか、免疫細胞に食べられて体内から消えます。

これが「細胞老化」という仕組みで、人間を含む高等動物が進化の過程で獲得した 安全装置 のひとつ。

だけど、分裂をやめても死なずに組織内にとどまり続ける細胞があります・・・それが「老化細胞(ゾンビ細胞)」。

老化細胞はただ機能が低下するだけでなく、SASP(Senescence-Associated Secretory Phenotype) と呼ばれる炎症性の物質を分泌し、周囲の健康な細胞にまで老化を広げてしまいます。

つまり「老化は伝染する」というイメージです。

  • 老化細胞:分裂を停止し、機能が低下した細胞
  • SASP:老化細胞が炎症性サイトカイン・酵素などを放出し、周囲に影響を及ぼす現象
  • SASP因子:その中に含まれるIL-6、IL-8、MMPsなどの分子

 

身近なSASP

死んだはずの細胞が蘇り、炎症をまき散らして仲間を増やし、組織や臓器の機能を低下させてしまうというイメージから

このような老化細胞はしばしば「ゾンビ細胞」と呼ばれます。

皮膚においてこのSASPが起きると、炎症が起きたり、コラーゲンが壊れやすくなったりして、シミ・肝斑・たるみといった肌トラブルにつながります。

 

うっかり強い日焼けをしてしまうと、皮膚が赤くなり水ぶくれができ、最後は皮がむける・・・

そんな経験がある方は多いと思います。

紫外線を浴びると、肌細胞のDNAが傷つく。

大きなダメージを受けた細胞は自ら消え(アポトーシス)、死亡した細胞が剥がれ落ちる。

これが日焼け後の皮むけ。

ダメージを受けた細胞からは炎症マーカーが放出され、

組織修復のために血流量を増やすために血管が拡張する。

これが皮膚の赤み(サンバーン)。

ここで生き残ってしまった老化細胞は、悪い信号(SASP)を出して、周りの細胞まで老けさせてしまう。

だから日焼けは、その場のシミや赤みだけでなく、将来の肌老化を進めてしまう要因になるし、

DNAが傷ついたままの細胞が無秩序に増殖するとガンになるわけです。

肝斑やシミ・しわ治療の新しい視点

例えば、これまで肝斑の治療は「メラニンを減らすこと」が中心でした。

だけど最近では、真皮リモデリング(真皮を新しく作り替えること) の重要性が強くうたわれています。

肝斑は表面の色素増加だけでなく、真皮の細胞老化や炎症という機能不全が深く関与しています。

つまり、表面的なケアだけでは不十分であり、真皮環境を整え、健康な細胞が働きやすい状態をつくることこそが、再発しにくく効果的な治療につながることが分かってきたわけです。

肝斑やシミに、単純にレーザーではなく。

しわやたるみに、単純に糸リフトではなく。

皮膚という組織そのものを強く作り直すことが、より根本的な治療である、

そういうコンセンサスが得られ始めているような気がしました。

 

全身に関わるSASPと生活習慣

美容皮膚科学会では、皮膚におけるSASPや細胞老化が論じられますが、

当然このSASPは全身の臓器や組織において起きる現象です。

なので、多様な年齢関連疾患の要因になることが分かっています。

このSASPのプロセスに深く関わるのが 日々の生活習慣 です。

  • 栄養バランスの良い食事
  • 適度な運動
  • 十分な睡眠
  • ストレスの管理

これらを整えることで細胞の健康が守られ、老化の進行を遅らせることができることが既に研究によって分かっています。

 

究極の健康法はシンプル

研究が進み、人体の複雑な仕組みが解明されるたびに思うのは、究極の健康法は驚くほどシンプルだということです。

規則正しい生活、十分な栄養、十分な睡眠、適度な運動。

つまり我々人間は、しょせん動物の1種であるにすぎず

与えられた環境のなかで、与えられた肉体で生きている存在なわけで

自然の摂理に従って生きるしかない、自然の摂理を最大限生かすことしかできない、

自然の摂理に任せて生きることこそが、科学的にも裏付けられた「最強のアンチエイジング」だと改めて実感するんですよねぇ・・・。

(念のため、私は特定のスピリチュアルとか、宗教とか、一切関係ありません)

 

栄養が支える細胞の若さ

さらに強調したいのは、栄養の重要性です。

真皮リモデリングを促すレーザーや注入治療は確かに有効ですが、

そうした治療によって細胞が新しく生まれ変わるための材料(タンパク質、ビタミン、ミネラル)が不足していては効果を十分に発揮できません。

例えば

  • コラーゲン生成にはタンパク質とビタミンCや鉄や亜鉛
  • エネルギー代謝にはビタミンB群や亜鉛やマグネシウム

こうした栄養素が欠かせないわけです。

外からの治療と内からの栄養サポート、その両方を組み合わせることで、より確実に、そして長く続く美肌が実現できるのです。

 

まとめ

そんなこんなで、美容皮膚科といえど、肌だけではなくて人体そのものを俯瞰してみるという日頃の診療方針に突き刺さる、とても刺激的な学会でした。

学ぶ、ということは楽しいです。

ちなみに、真皮モデリング=真皮再生を促す治療としておススメなのは

・POTENZA (ピーチスキンライト、ピーチスキン)

・ECM製剤 (プルリアル、プロファイロ、スネコス、ジュベルック、ASCE+ など)

・炭酸ガスフラクショナルレーザー

・ピコプロフラクショナル

などがあります。

 

美肌や若返りには、こうした広い視野から取り組むことが、将来にわたって若々しい肌を保つカギになると感じています。

 

TAKEDA BEAUTY CLINIC DOCTOR

医療法人TSC タケダスポーツ・ビューティークリニック 皮膚科・美容皮膚科 院長

皮膚科専門医 武田りわ

「美肌は人を幸せにする」を理念に、西洋医学を基礎とする美容医療に栄養医学を取り入れ、体の外側と内側からのケアを提案している。肌の老化を治すだけではなく、老けにくい健康な肌作りが得意。皮膚科専門医、オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医の資格保有。

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